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台本:朗読(6)そして、見つける。


♪ 朗読を聞く ♪
朗読:久瀬 優祈(雑食アリス)


昔、この街を治めた者は、
なぜ、多くの教会を作ったのだろうか。
そして、なぜミイラを作ったのだろうか。
残念ながら、この街の、新たな居住者たちは、それを知る術(すべ)がない。
そのことを知る前に、彼らは、
あまりにも多くのミイラを破壊してしまっていたのだ。

そんな彼らですら、恐怖を覚えるほどの数のミイラ。
いったい誰が、なんのために、こんなにも多くのミイラを、この場所に収めたのだろうか。

そして遂に、見つかった。
何百、いや、何千もの、腐り果てたミイラ。
その中で、ただひとり。
ひとつの小さな石碑に見守られるように、
全く朽ちることなく、生きているかのように眠る、少女がいた。
彼女の名前は。