とある島の住人達の会話からサンプルボイス用のセリフをちょうだいしてみた

『あるみかんのうえにあるみかん。』にて制作している、とある島の不思議なお話シリーズに出てくる、とある島の日常会話を集めてきて、サンプルボイス集にしました。台本の中でのセリフは適当に性別、口調、語尾等、自由に変えていただいてかまいません。(例:騎士団の男性のセリフを女騎士にしたり、街中のおばさんのセリフをおじさんにしてみたり老婆にしてみたり、関西弁なとの方言にしてみたり、外国人風にしてみたり……。) また、しょっちゅう更新していく予定ですので、ある時見返すと、サンプルセリフが増えていることがあるかもしれません。
サンプル用のセリフとして読んで、自分のサイトにアップしていただいてもOK、ちょっとした読み物として「とある島」の世界を楽しんでいただくだけでもOK、あなたなりの楽しみ方をどうぞ。

注意事項

同人でのボイスコーポレーター等で活動されている方々に限り、無断でこの作品の台本を朗読し、ネット上で公開することを許可します。台本の引用元としてひらののサイトにリンクを貼って頂ける場合は、このページではなく、ひらのの個人ホームページ『あるみかんのうえにあるみかん。』をリンク先としてください。また、可能でしたら事後報告で構いませんので、台本を使用したことを教えてください。ひらのが喜びます。(とても重要)
なお、台本の再配布は禁止します。




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城の中の日常編


うちのお城では、王様もお妃様も姫様も、普段は家臣の人たちや使用人たちとほとんど同じメニューの食事をされてるんだ。どうも王様の方針らしいね。わざわざ分けて食事を作るのは調理場が大変だからという気遣いだって聞いたことがあるよ。特別なメニューにするのは、よそからお客様が来られた時だけだね。

うちのお城ができたのは随分昔のことだ。ずっと昔にこの島を治めていた国が作った城なんだ。何度も何度も戦乱に巻き込まれ、城主が変わり、そのたびに城の中身は作り替えられ、防御がどんどん固められたんだ。だからこの城はすごく攻め込まれにくくなっている。城が丘の上に作られているのもそのためだよ。

城の中に入るには、この急な坂道を上っていかないといけない。城の食材庫に食料を運ぶだけでも大仕事さ。なんてったって、城に住み込みで働いている人たちの食料を毎日毎日運んでいかないといけないからね。今でこそ、遠回りになる代わりに、馬車で荷物を運べるような緩い坂道があるけれど、昔はこの坂道を大勢の人が行ったり来たりしていたらしいよ。

私は城の外から運ばれてきたものをチェックする係のものです。この倉庫に食材や日用品がたくさん運ばれてくるんですよ。城の中では毎日たくさんの人がたくさんの物を食べ、使いますからね。数が足らないなんてことになったら、それはもう一大事なのです。それにしても城の中ではすごい数の人が働いていますね。私が初めてこの持ち場を担当になった時には、倉庫の大きさと物の多さに腰を抜かしましたよ。

私は島の外の国々からやってくる情報を整理する役目を仰せつかっております。最近の国王様や姫様が気がかりなことは、この島の発展の遅さですね。この島は貿易と農作物の豊かさで繁栄してきました。しかし、島の豊かさを巡って争いを重ねてきた歴史の分だけ、この島は文明の発達が遅れているのです。

(まだまだ新入りなメイド。)あついー……。先輩にあれこれ言われながらの調理場の手伝いしたけれど、あんなに暑いなんて……。ただでさえ外は暑いのに、あんなにたくさん薪(まき)をくべて、お湯を沸かして……。そのうちあたしの方が干上がっちゃいそう……。これが夏の終わりまでずっと続くのかー。心折れそう……。


(騎士のぼやき。姫様との剣術稽古の相手をするそうですが……。)王様とお妃から、どうしてあんなに運動神経のいい姫様ができるのか……。剣術も身に付けないといけないからって言っても、なにもあそこまで強くなる必要はないと思うんだけど……。あーあ……、まためった打ちにされるのかなぁ……。

(上に同じく、姫様との剣術稽古の相手役を務める騎士のボヤキ。)姫様について回る銀髪のちっちゃいのがいるだろ?姫様がある時、姫様と一緒にあいつの相手もしてくれって頼んだんだよ。それ以来、姫様の相手も、あいつの相手もしなくちゃならなくなったんだ。あいつこそ強過ぎるんだって。姫様とあいつのふたりで、延々稽古をしてくれたらいいんだけどな……。

騎士団といっても、なかなか他の国と戦争になることはない。騎士団の仕事は、島に潜り込んでくる悪党や盗賊達の制圧がほとんどだ。盗賊達からすれば、この島は宝の山なんだろうな。



街の人々の普段の会話編


(小さい女の子)ねーねー、聞いて聞いてー。あたしねー、姫様が好きなんだー。姫様、街の人たちみーんなにやさしいんだよー。それにねー?すっごいきれいなんだよー。髪もきらきら光ってて、うらやましいなー。あたしも、あんなきれいな髪がいいなー。

(小さい女の子)ねーねー、お姉さんはお歌好きー?あたし、お歌うたうの好きなんだー。将来は教会のシスターさんになりたいの。だってね、大聖堂のシスターさんたちの歌声、すっごくきれいなんだもん。あたしもあんな風に歌えたらいいなーって思うの。

(孤児院の男の子) ぐすっ……、ぐすん……、お母さん、病気で死んじゃったし……、お父さんも漁に出たまま帰ってこない……。どうして僕だけを置いていっちゃったのって……。シスター達がやさしいのはうれしいけれど、やっぱり僕、お母さんとお父さんに会いたいよぅ……。うぇーん……。

(10歳くらいの子の会話。)そういえばさー、この前くれたクッキー、あたしの家で分けたらすごく喜ばれたよ。お母さんがおばさんにお礼を伝えておいてって言ってた。え?あのクッキー、自分で焼いたの?渡した時にそう言ってた!?えーと……、あれぇ……?え、でもあんなにおいしいクッキー、自分で焼いたの?すごーい!!

にゃー……。今日の日差しは特別ぽかぽかだにゃー……。こんな1日は、のーんびりなにもせずに過ごすのが一番だにゃー……。……って、あたしも言ってみたい……。いいなぁ……。あの猫、さっきからずっとあそこで気持ち良さそうに寝てるんだもん……。

(夏の朝の会話)いやー、今日は朝から暑いわ!日差しもきついし、朝から汗だくだわ……。なのにどうしてうちの旦那は家のことをやってくれないのかしら!ちーっとも動いてないのに暑い暑いって愚痴ばっかり言って。あの態度こそ暑苦しいんだけどね……。

(船乗り)あんた、島の外へ帰るって言っても、船が出るまでまだまだ時間はあるぜ?なんならあの岬に行ってみたらどうかな?あそこの岬には小さな教会があって、そこから見える夕焼け空はそりゃきれいなもんさ。あの景色を見たら、またこの島に遊びに来たくなるはずだよ。

(知り合いと会った元気なおばあさん。)え?手提げ袋が重そう?なーに、これくらいの買い物、私にはたやすいことさ。昔は私だって、お城に勤めてたことがあるんだよ?あのお城の急な坂道を、買い出しの帰りに登っていたのさ。それに比べたらこんな荷物なんて……。でも、せっかくだし、ちょいとお願いしようかね?

(テーマ「痛い」)んー!!んー!!!だー!!なんでこのマーマレードの瓶、開かないんだー!?飛び切り最高級のオレンジとレモンをふんだんに使ったマーマレードなのに!!んーーー!!買うのにものすごく並んだんだぞー!?んー!!んー!!!はぁ、はぁ、はぁ……。なんでだ……。確かに買ってきてから長いこと開けもせずに放ったらかしだったけど……。よーし、もう1回!せーの、ん゛ーーー!ん゛あっ゛!!(手が滑って、近くに置いてある物に手をぶつける。)ぎゃーーー!!(以降、ご自由に痛がってください。)(なんなら頭も一緒にぶつけたり、マーマレードぶちまけていただいたりしてもかまいません。)

(夏の大教会の前でのシスターの話。)この島は夏は極端に雨が降らないんです。とても暑いのですが、カラッとしていて汗もすぐ乾くので、あまり不快感はないんですよ。同僚のシスターに教えてもらったのですが、世界には暑くて雨も多くてじめじめしている国もあるそうですね。

(上と同じく、夏の大教会の前でのシスターの話。)カラッとしている気候の分だけ困ったことと言えば……、そうですね、空気がとても乾いているので外がほこりっぽいことでしょうか。雨も降らないし、水も貴重なのであまり道に撒けないのです。教会に来てくださる方々のためにできるだけ入り口の辺りの石畳だけでもきれいにしておきたいのですけれどね。

(役所でばったり出会って。)お前、こんなところに来て、なんの用事なんだい?え?お前こそなんだって?えーっと、あのー、そのー......、ほら、手続きだよ、手続き。なんのって、そのー、えーと、ほら、いろいろあるじゃん。いろいろなんだよ、いろいろ!いいだろう?俺がなんかあれこれしてても……。あやしくないって!俺の!この!どこが!あやしいの!?用事はなにかって?だから!て!つ!づ!き!!

(役所にて、今度は別の人。)あー……、あたし、こういう堅そうなところ苦手なんだよなー。細かいやり取りとか苦手なんだよ。それに、なんか悪いことしないとこういうところ来ないイメージがあるのよねぇ。さっき目の前を男の人が走っていってたけど……、一緒に話してた人から突然逃げ出した感じからしたら、あの人も絶対なんか悪いことしてる人よね。

(夏の海で遊ぶ子ども。)君、この辺では見ない顔だけど、遊びに来たの?へー、そうなんだー!普段は山の方に住んでるんだね!そっかそっかー!僕たち、この浜のすぐ近くに住んでるんだー!一緒に海で遊ぼうよ。え?泳いだことないから怖い?大丈夫だって、僕たちが教えてあげるから!!ほら、行こ行こうー!!

私ね、海を眺めるのが好きなんだ。空みたいに青くて、水が透き通っていて。ホントにきれいで、いつまでも眺めていられるわ。この海の向こうに、私のお父さんもお母さんもいるんだ……。この海がきれいすぎて、その先が知りたくて、あの水平線の向こうまで行っちゃったのかな……。私を置いて……。

時々、街の人たちからね、私を避けるような感じがするんだ。視線をそらされるの。私はなにもしてないんだけれど……。思い当たることもないし……。前に、理由を聞こうとしたこともあったけれど、追い払われてしまったわ。



街の人々の噂話編


あんた知ってるかい?教会には、魔女の部屋ってとこがあるらしいよ。なんでも昔、そこで怪しい薬を作ってた女がいたって噂さ。本当かどうかは知らないけれど、とにかくあの教会には秘密がいっぱいあるらしいね。

姫様にいつもくっついてる、小柄な女の子がいるだろ?あたしゃ、あの子がどうも苦手でね。無愛想だし、目付きも厳しいし、しゃべらないし……。それにあの子、なんでももっと小さい頃に人を何人も殺したって噂もあるのよ。姫様も、どうしてあんな子がお気にいりなのかしらねぇ。

あんた知ってるかい?姫様は運動神経がものすごくいいらしいね。なんでも、そこらへんの騎士団のやつじゃ、姫様の剣術の練習の相手にもならないらしいね。頭も良くて、運動もできて!はぁー!!うちの息子にもその能力がちょいとでもあってくれたら良かったんだけれどね!


あんた知ってるかい?俺の母親はうわさをすぐ信じる癖があって、しかもそのうわさにさらに尾ひれをつけて広めているらしいんだ。なにぶん、人の3倍はおしゃべりでね。あることないことあちこちでしゃべりまくるから、街の人々から陰で笑いものにされているらしいよ……。



市場の人々編


(ジャム屋)この島は気候に恵まれているからね。いろんな果物が採れるんだ。そしていろんな国の旅人がこの島にやって来て、また出ていく。だから、保存が利くように、昔からジャムの店がたくさんあったんだ。私の店も歴史ある店でね、このマーマレードなんて、レシピを先祖代々受け継いできたのさ。

(魚屋にて。)やあ奥さん、今日は何をお買い求めで?今日は活きのいいサバが入ってきたよ!毎日高い魚なんて食ってられねぇからな。サバは身体にも財布にもやさしいよ!!試しに食べてみるかい?オリーブオイルとレモン汁だけでも、結構いけるよ!

(武器屋にて。)うちの剣はいいのが揃ってるよ。これなんてどうだい。長さも重さも手頃なもんだ。もうちょっと重い方がしっくりくるんなら、そっちの棚から選んでおくれ。……、あー、その棚?その棚の剣は全部飾り用の剣だ。宝石なんかがついているのもあるが、実用性はないな。

(武器屋にて。)うちの店は、剣も盾も置いているが、実はあんまり売れてないんだよ。ほら、剣や盾なんて、そうそう壊れないだろう?売り上げのほとんどは、剣や盾の修理で稼いでるんだ。ちゃんと修理してやれば、剣も盾もそう簡単には壊れないよ。

(八百屋にて。)あんた、旅の者かい?それなら、是非うちの店のレモンを買っていきなよ。レモンはこの島の特産品なんだよ。このレモンなんてとびきりすっぱい品種だ。でも、その分、疲れた身体には効くし、なにより、船酔いにも効くんだ。この島の周りの海はたびたびひどく荒れるからね。

(八百屋。)そのかごのオリーブは昨日仕入れたばかりだよ。なかなかの大粒だろう?え?たくさん買うからまけろって?仕方ないねぇ、あんたにはよく世話になってるからね。特別に、だよ?

(果物屋に来た客の値引き交渉。)ところでうちの子、果物がとても好きなのよ。オレンジ、ブドウ、アプリコットにプラムと、どれでもよく食べるわ。きっといい果物を仕入れてもらってるからでしょうね。だけど果物が好き過ぎて、あっという間になくなるのよね。たくさん買いたいんだけど、食費が高くついて仕方ないわー……。あら?まけてくれるの?ありがとっ!

(紅茶屋にお城のメイドさんがおつかい。)こんにちは、お茶屋さん。先日はどのお茶が良いか教えてくださって、ありがとうございました。あの後早速、お城であのお茶を出したんですけれど、とても好評だったんですよ。

(雑貨屋のお姉さんのはずなんですが……。)えー!?また折り紙を折ってほしいってー!?あんたたち、自分でおこづかいもらって自分で紙を買って自分で折ってくれないかなー……。いつもいつも私に作るのだけせがんで……。あー!!わかったわかった!!いいよそんなに言うんなら!あと、折ってくれないからって「おばさん」とか「ばあさん」って言うなー!私はまだ、「お姉さん」だー!!

(傘屋)うちの店の傘は、どれもよその国から仕入れてきたもんだ。そこの国では金属の加工技術が発達しているから、こういう細かい部品もお手のものらしい。あと、その国はここよりも雨が多いらしいな。需要があるからこそ、売り物も発達するんだろうな。

この花は市場にある花屋のためのものだよ。俺の親戚の娘がやってるんだ。時々、姫様が花屋に来てくださって、随分花をほめてくださるらしいね。照れるけれど、その分、またいい花を作らなきゃって、気合が入るね!え?この花?そうだよ、うちで作ってんだ。この荷台に乗ってる花は全部、今朝俺と嫁さんが摘んだものだ。花も食べ物と一緒で、鮮度が命だからね。

(卸売業者の近く案内中のガイドさん)ここは小麦の卸売業者が集まる市場です。この島は果物の生産が盛んなことで有名ですが、小麦の生産もとても盛んです。年中通して晴れの日が多い気候と、大昔の火山灰をたっぷり含んだ豊かな土のおかげなんですよ。

(よその国の貿易商への会話。)ところであんた、よその国からわざわざこの島へ仕入れに来たんだろ?ずいぶん、この島の言葉がしゃべれるんだねぇ!あんたとこの国の言葉とこの島の言葉じゃ全然違うらしいけれど、どこで勉強したんだい?

(ガラス職人の話。)うちの工房では、教会に使われているステンドグラスを作っているんだ。この島にはたくさん教会があるだろ?いろんなステンドグラスを使った装飾があちこちの教会に使われている。教会の数だけ教会を修理する職人がいて、その職人たちが使うためのステンドグラスが必要になるってことさ。あぁ、そっちのガラス細工かい?それは時間が空いた時に俺がつくったものさ。

(大工。)さあさあ、そろそろ昼休みにするぞー!?こんな暑い中、仕事なんてやってらんないよ。ちゃんと昼飯食べて、しっかり休んで、また涼しくなってから再開するぞー。あー、あと、昼休みが長いからって酒とか飲むんじゃねぇぞ?それは夜のお楽しみだからな。

(酒場に仕入れ。)あー重たい。あー暑い。はーしんど……。ここの酒場の客、み~んな揃ってやたらめったら呑むもんだから、ワインを樽ごと仕入れてるんだけど。運ぶ方は重いのなんのって……。しかもこの辺り、割と坂道も多いからね。うちの馬車の馬たちにも、大仕事すぎるんだよ。そのくせ、ここの客たちは酒癖が悪くって……。ちっとはこっちの身にもなって、もうちょっと味わって呑んでほしいもんだね。



お知らせ


あんた知ってるかい?『あるみかんのうえにあるみかん。』で制作された作品のうち、この下にバナーが貼ってある企画は、台本がホームページ上に公開されてるんだよ。その台本もサンプルボイス用、朗読の練習用の台本として使っていいらしいね。朗読が好きになってくれる人が増えてくれたら、うれしいね。
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