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台本:朗読(7)混乱と終決


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朗読:TTC(Familiar Company


「島を治める者は世界を統べる者」
そう言われた時代もあったほど、
この島には、幾度も戦に巻き込まれてきた歴史があった。
世界を統べる者とまで呼ばれた者達は、
自らの命を守ることに、さぞ懸命だったのであろう。
島に存在する一番大きな城には、
数え切れないほどの仕掛けが施されていた。

城の中を駆け回る少女を捕えるべく、衛兵達は二手に分かれ、
さらに二手、さらに二手へと分かれていく。

天上から網が降ったり、隠し扉が開いたり。
次々と繰り出される数々の罠だったが、少女の足を捕えきれない。

姫もまた、衛兵達を止めるために、城の中を駆け回った。
衛兵達を足止めさせるため、落とし穴を発動。
通路を封じるべく、扉に秘密の鍵をかけていく。

罠という罠がことごとく展開され、
衛兵達は網に掛かり、出会い頭に衝突し、行き止まりに殺到した。
怒号だけが勢いよく響き渡る城の中は、混乱を極めていた。

そして遂に、長い廊下の端と端。
姫と少女は互いの姿を認めた。

廊下の中央へ駆け出すふたり。
喜びと安堵の感情は、しかし、姫の頭から
その廊下に仕掛けられた罠の情報を
完全に吹き飛ばしてしまっていた。

ふたりの間に落ちた鉄格子。
少女が後ろを振り返った時には、もう一つの鉄格子が落ちていた。

鉄格子に短剣が叩きつけられる音と叫び声が、廊下に虚しく響く。

4つの瞳に、涙がたまった。